【2026年最新】風営法「密接な関係を有する法人」の判定フローと添付書類の書き方を行政書士が解説

 令和7年11月の法改正以降、法人が風営法の許可申請(社交飲食店やパチンコ店など)を行う際、新しく追加された添付書類があります。

 それが、「申請者と密接な関係を有する法人に関する書面」です。

 法改正から少し時間が経ち、実務として完全に定着した2026年現在ですが、今でも「うちの会社はこれに該当するの?」「該当しない場合はどう書けばいい?」といった実務的なご相談を多くいただきます。

 そこで今回は、愛知県の警察署への申請実務を踏まえ、自社が「密接な関係を有する法人」に該当するかどうかの判定基準(フロー)を、どこよりも分かりやすく解説します!

そもそも「密接な関係を有する法人」とは?なぜ必要?

まずは背景をサクッとおさらいしておきましょう。なぜ、急にこのようなややこしい書類が増えたのでしょうか?

法改正の目的は「不適格者の排除」

 一言で言うと、「過去に風営法の処分を受けた悪い親会社が、子会社(別法人)を身代わりに立てて、隠れて風営法許可を取るのを防ぐため」です。

 今回の法改正により、グループ会社の中に過去に許可を取り消された法人があったり、処分逃れのために廃業したような法人が含まれている場合、新規の許可が下りない(欠格事由に該当する)ことになりました。申請法人の「適法性」を証明するために、自社と関係の深い法人をすべて洗い出して警察に提出しなければならなくなったのです。

「実質的支配者」との違いに注意!

 実務をやっている方(あるいは同業の行政書士の先生)なら、「あぁ、会社設立や銀行口座開設のときに書く『実質的支配者』みたいなものか」と思われるかもしれません。

 基本の考え方はよく似ているのですが、決定的な違いがあります。 それは、今回の風営法の書類は「法人(会社など)」に限定されているという点です。実質的支配者のように、個人の大株主などをここに書く必要はありません。あくまで「会社 対 会社」の関係性だけをチェックします。

【3ステップ】自社が該当するかチェック!判定フロー

 では、具体的にどんな会社が「密接な関係を有する法人」になるのでしょうか?
 自社のコーポレート構造(株主や出資の状況)を思い浮かべながら、以下の3ステップで確認してみてください。

密接な関係を有する法人・判定フロー図
📌 ステップ①:申請者が「株式会社」の場合
チェック基準: 「議決権(株)の過半数」

・自社の株の50%超(過半数)を保有している「実質的親会社」がある
・親会社がさらに別の会社の株を過半数持っている(孫会社にあたる関係)

💡 これに該当する「法人」があれば対象です。
📌 ステップ②:申請者が「持分会社」の場合
チェック基準: 「出資金の額」 合同会社(LLC)などの場合は、株ではなく「出資額」で判定します。

・自社の資本金の2分の1(50%)を超えるを出資している法人がある

💡出資元が個人ではなく「会社」である場合は対象になります。
📌 ステップ③:資本関係以外の「支配的影響力」
チェック基準:「支配的な影響力」 資本関係(株)だけで判断できない「実質的な支配」も対象になります。

・役員の過半数が特定の法人から派遣されている
・資金の大部分を特定の法人から借りている
・売上の大半を一社に依存している

⚠️ 「うちは個人オーナーだから関係ない」と思っても、ここを見落としがちなので注意!

【実務解説】「密接な関係を有する法人」の書き方と添付書類

自社が「密接な関係を有する法人」に該当するかどうかが分かったら、次はいよいよ書類の作成です。

 この書類は、該当する法人が「ある場合」と「ない場合」で書き方が異なりますが、どちらの場合であっても提出自体は必須となります。「うちは関係ある会社がないから出さなくていいや」とはならないので注意してください。

記載すべき基本4項目(該当する法人がある場合)

 判定フローで該当する法人があった場合は、警察本部などが配布している参考様式に、以下の4項目を記載します。

  1. 法人の名称(商号):例)◯◯株式会社
  2. 本店所在地(住所):登記簿謄本(履歴事項全部証明書)に記載されている通りの住所
  3. 代表者の氏名:該当する法人の代表取締役の氏名
  4. 申請者との関係性:例)「当社の議決権の60%を保有する親会社」「当社へ役員の過半数を派遣している法人」など

 グループ会社が複数ある場合は、該当する法人をすべて並べて記載することになります。

「該当なし」の場合の書き方

個人経営の会社や、完全に単独で営業していて親会社もグループ会社もない場合は、以下のように記載して提出します。

  • 書面の適当な余白、または該当欄に「該当なし」と記載する

 「該当なし」という事実を書類で明確に意思表示することが求められます。空欄のまま提出すると、警察の窓口で「書き忘れですか?」と確認されたり、補正(やり直し)の対象になることがあるため、必ず「該当なし」と明記しましょう。

セットで提出する「株主名簿の写し」の注意点

 この「密接な関係を有する法人に関する書面」を提出する際、株式会社であれば「株主名簿の写し」、合同会社などの持分会社であれば「定款の写し」をセットで添付する必要があります。

 これは、さきほどの判定フロー(ステップ①や②)で「本当に過半数の株を握っている会社がないか」を警察側が裏付けるための証拠書類になります。

 実務上の注意点として、株主名簿は「会社法で定められた法定記載事項がすべて網羅されている最新のもの」でなければなりません。直近で株の譲渡や増資があったにもかかわらず、古い名簿のまま提出してしまうと、添付書類の不備で申請がストップしてしまう原因になります。必ず「現在の正確な状態」の株主名簿を用意してください。会社法から株主名簿の条文について抜粋しましたので、ご確認ください。

会社法 (株主名簿) 第百二十一条

 株式会社は、株主名簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下「株主名簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。

株主の氏名又は名称及び住所

二 前号の株主の有する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)

三 第一号の株主が株式を取得した日

四 株式会社が株券発行会社である場合には、第二号の株式(株券が発行されているものに限る。)に係る株券の番号

上記の法定記載事項がすべて網羅されているか、今一度チェックしてから提出するようにしましょう。

まとめ:複雑な法人申請は「シミュレーター」で即時見積もり

 令和7年(2025年)の法改正以降、風営法の許可申請は法人の資本関係やバックボーンまで厳しくチェックされるようになり、実務の難易度は一段と上がりました。

 「うちの複雑なグループ構成で許可は取れる?」「株主名簿の書き方が合っているか不安……」という方は、ぜひ一度プロの行政書士にご相談ください。法令を遵守し、一発で通る確実な書類を作成いたします。

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行政書士 木下みのり
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